映画『夢は牛のお医者さん』は名作

2015年06月27日

昭和62年,新潟県松代町にある小学校では新入生はいませんでした。
全校生徒は9名。
校長先生は,新入生の代わりに子牛を入学させることを提案します。
(体重が400キロになるまでの期間限定)
すべてはここから始まりました。

その子牛はお腹を壊すことも多く,
高橋知美さん(当時小3)は,私がお医者さんになって治してあげる,と誓います。
その少女が高校生になり,大学(岩手大学農学部)に合格し,念願の獣医になります。
今,知美さんは2児の母となり,子育てをしながら獣医としての活動を続けています。
そんな知美さんや松代町の様子を26年に渡り記録したドキュメンタリー映画です。

最初は「ズームイン朝」のローカールニュースとして取り上げられました。
その後も「ズームインなんちゃら」の中で「テレビ新潟」が度々取り上げましたので,部分的にご覧になった方もいらっしゃるかもしれないですね。

それにしても知美さんは,小3の時に描いた獣医になるという夢からブレなかったのでしょうか。
一つは彼女は動物が好きだったから。
小学校にはブタも短期留学(笑)しているのですが,彼女の動物と接する姿は本当に楽しそうです。

でも,それだけじゃない。

松代町では,冬になると男衆は出稼ぎに行きます。
でも,高橋家は女性所帯だったため,お父さんは冬の仕事として畜産を始めます。
知美さんにとって獣医になることは,夢であると同時に家計を助けるという大きな経済活動でもあった訳です。
岩手大学受験時,浪人はしない,私立は受けないという背水の陣で望んだことからも想像できます。
そんな知美さんを支えた家族の存在も大きかったように思います。

莇平小学校は,昭和34年に93人の児童が在籍していたそうですが,
この映画の始まった昭和62年には9人。
知美さんの卒業後は4人になり,平成4年には廃校になります。

全国どこの地区にもある,過疎化と高齢化。
この映画でもその現実は的確に捕らえているように思えます。

ちょっと切なくて,でも元気になれるドキュメンタリー映画でした。
(実はあまりドキュメンタリー誉めない)
フォーラム盛岡では7/4まで上映。
今のところDVD化の予定はないみたいですので,興味持った方は劇場で。

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